【本の紹介】どうすれば環境保全はうまくいくのか 現場から考える「順応的ガバナンス」の進め方


2017年3月10日に出版された “どうすれば環境保全はうまくいのか ―現場から考える「順応的ガバナンス」の進め方”(編者:宮内泰介、発行所:新泉社)において、2009年~2015年まで関わった北海道南部に位置する渡島大沼における中間支援活動について、北海道大学高等教育推進機構の三上さんに事例として紹介していただきました。ありがとうございます。


第7章 “協働の支援における「寄りそい」と「目標志向」 北海道大沼の環境保全とラムサール条約登録をめぐって” において事例紹介されていますが、私にとってもこれまでの活動の中で非常に思い出深い、そして学ぶことの多いプロジェクトでした。もちろん今でも関係者の皆さんには、お世話になっておりますし、何かあればいつでもしゃしゃり出る準備はできています。そんな大沼での活動について、丁寧にヒアリングし、分析していただておりますので、どうぞお手に取ってご覧いただけたら幸いです。


ちなみに、協働のあり方は一般的に「中間支援」と呼ばれる役割を担う人たちの間で、しばしば議論になります。重要なテーマの1つに、「間に立つ役割として、中間支援者もしくは協働のコーディネーターはどこまで介入すべきか」かと思います。

個人的な思いとしては、例え課題を抱える地域に住んでいなくても「当事者」であるという意識を持つと同時に、「よそ者」としての役割を認識しながら課題解決に挑む態度を大切にしています。

「当事者」であるとは、私たちが住む地球で起きていることはすべて自分に関わることであるという意識です。大沼などは活動拠点としている北海道でもあり、わたしにとっては非常に近い場所です。ただ、課題解決を何等かのプロジェクトとして進める時、一体どこまでを当事者とするのかが非常に大切になります。当該地域で生業をしている人のみが関わることなのか。では、当該地域とはどこまでの範囲を指すのか。町内会単位か、市町村単位か、都道府県か、国か。基本的には線は引けないというのが私のスタンスです。一度でも関わった場所は、私にとって自分の地域でありコミュニティとなります。

一方、「よそ者」であるとは、例えば活動の継続性を考えた時、自分がどこまで深くその活動に関わり続けることが妥当なのか、という視点です。予算も含め、自分がどんな参画ができるかを考えます。例えば、中間支援活動の予算が無くなった後、毎日その活動に参加できるのか、事務作業を担えるのか、もしくは時折足を運んで行事レベルで参加するのか、などです。その近い将来に想定される予算が無くなった後の状況によって、現時点でどんなことが自分に与えられた役割なのかを考えるようにしています。

課題解決したいという思いは誰よりも負けないと思う程の真剣さで取り組みたいながら(当事者意識)、自分が関われる内容と期間によって、活動が持続していく仕組みを作る(よそ者意識)ことが中間支援者や協働コーディネーターの役割かと思っています。

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