WORKS 活動

一般社団法人北海道開発技術センター(dec)さんの広報紙「decマンスリー」6月号に、紹介記事を掲載していただきました。


2時間以上、丁寧にインタビューしていただき、分かりやすくまとめてくださいました。発信の機会をいただけるのは、本当にありがたいです。関係者の皆さん、大変お世話になりました。


広報紙はダウンロード可能です。道内企業によるSDGsの取り組み紹介も掲載されておりますので、ご一読くださいませ。

地域活性化、人材育成、観光、環境・エネルギー問題、防災・減災等に取り組まれる dec さんの活動にもご注目ください。

2021年6月16日、北海道エコビレッジ推進プロジェクト(エコビレッジ)が主催する第1回えこびれオンラインカッレジに講師としてお招きいただき「北海道のSDGsを推進する」をテーマにお話させていただきました。

エコビレッジの皆さん、ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。

エコビレッジが主催する場として、代表者の坂本さんがご存じない方で参加者の半数が占められるという珍しい会だったとのこと。SDGs効果を、改めてわたしも実感しました。

SDGsを1時間くらいの話で理解するのは「やばい話」だと思っているのですが、坂本さんと今回の目的を「モヤモヤを抱えてもらいましょう!」ということにしました。その分、いつも以上に意図的に、投げかけるような、想像力を使うことが必要そうな感じで話をさせていただきました。


「で、一番大事な目標、優先課題はどれですか?」

「で、具体的には何をしたらいいですかね?」


という質問はもちろん頂きました。

自ら知ろうとする、考える、行動するを繰り返すことで、自分自身を「変革」すること。

延いては世界の「変革」につながるというお話をしたつもりです。
組織や地域、国単位での方法論はまた別の話になりますが。

「SDGs」の肝は、そこに書かれている曖昧な要素をどう捉えるか、あるいは、私たちに何が求められているのかを、自ら考えて行動を起こす必要性を理解することだと思っています。17のゴールとして掲げられているからやる、あるいは、既にやっていることにタグ付けするのは「変革」とは言えず、「SDGsウォッシュ」になり兼ねません。
SDGsが掲げられている成果文章「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」には、「最も遅れているところから手を伸ばすべく努力することを誓う」とも書かれていますしね。

SDGs誕生の背景や策定のプロセス、私たちが置かれている危機的な現状を「知識(理性)」として知ること、
複雑なものを複雑なものとして承知する、異質なものを受け入れるために「感性」を使うこと。

「変革」のためには、この「理性」と「感性」の両輪が必要なこと、

情報の入力(知る)と出力(実行)があってこその「分かった」と言えるなど、


そんな話をさせていただきました。


モヤモヤは気持ち悪い。


それはわたしもそうです。すぐにでも解消したくて堪りません。

だけど、モヤモヤと向き合わないと「思考停止」になります。

それが一番危険なことは、歴史が証明していますよね。

そんなお話をさせていただいたのでした。

昨日参加してくださった皆さんがモヤモヤを抱えて、

チラッとでも今日もモヤっとしてくれたら嬉しいです。

2021年2月16日(火)、公益財団法人北海道女性協会の令和2年度男女共同参画週間講演会に呼んでいただき、「持続可能な世界のためのジェンダー平等~SDGs達成のためにできること~」をテーマにお話させていただきました。

お話させてもらったとはいえ、このコロナ禍ですからビデオカメラが回る前で一人でしゃべり続けるというスタイル。ZOOMなどオンラインでお話する機会は何度か経験していたものの、会場に行き、一人カメラの前でお話させてもらうのは妙な緊張感がありました。

この時撮影された動画をDVDにしていただき、北海道女性協会から貸し出しが可能な状態にしてもらいました。このご時世なので、実際に足を運ばなくても話を聞いていただけるのは嬉しいですね。ただ、個人への貸し出しはできないようです。貸出は団体へのみのようですので、もし機会があればご活用いただければ嬉しいです。

DVDの鑑賞、団体への貸出につきましては、北海道立女性プラザのWEBサイトをご確認ください。

2019年2月16日(土)、七飯町の大中山コモンズで「世界湿地の日」にあわせて開催されたトーク&展示イベント「大沼 ラムサール条約への道」に、ラムサール条約の登録を進めた者としてパネルディスカッションに呼んでいただきました。ありがとうございます。

大沼をラムサール条約に登録したことは、本当に良かったのか。

ずっと私の中で引っ掛かっていました。もちろん、ラムサール条約登録湿地になるほどの貴重な環境ではあるのですが、あのタイミングで、あの方法でやって良かったのかと。もっと丁寧に進めることができたのではないかと。私ではない誰かが関わっていたら、大沼の地域はもっと良い状況を生んでいたのではないかと。

私のやり方を認めていない方がいらっしゃるのも事実です。それに、お話を聞く必要があった方、もっと耳を傾ける必要があった方もいたと思います。私自身は、私も大沼での課題解決に関わる当事者だという意識がありますが、多様な価値観、暮らし、立場がある中で、折り合いをつけるのは本当に難しいです。

ただ今回、大沼をラムサール条約登録湿地にすることで、より良い地域にしようと一緒に汗をかいた皆さんとお話をして、「なんか、良かったんだな」と初めて思えた気がしました。そう思わせてくださって、涙を堪えるのに必死でした。

気がつけば、登録湿地になって今年で7年になります。ラムサール条約を生かすも殺すも、そこに関わる人たち次第です。大沼に関わる人たちは、それぞれに複雑な思いを抱え、異なる価値観を持っています。けれど、私の出会った人たちは、何だかんだ言っても大沼が好きなんです。その「好き」という気持ちが、少しずつ変革をお越し、世界に価値を認められる、自分たちが世界に誇れる地域になっていくと確信しています。

貴重な機会をありがとうございました。とにかく私は人に恵まれる類い希なる運を持っていると思いました。有り難いです。これからも、どうぞよろしくお願いします。

2017年5月23日(火)、札幌市内にある公益財団法人北海道YMCAが運営する札幌YMCA英語・コミュニケーション専門学校にて、「持続可能な世界って?」をタイトルとした授業をさせていただきました。

2015年9月に国連持続可能な開発サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)」をなるべく分かりやすくお伝えすることが今回のミッション(使命、役割)。SDGsは193か国が達成することを合意した世界共通の目標ではあるものの、一般にはまだまだ知名度が低いのが現状です。知名度の低さはマスコミによる報道の有無にもあるとは思いますが、すべての社会課題を解決しようとする幅広い目標なので、すぐにピンとくる内容ではないというのも大きな理由だと思っています。

そこで、これまでのわたしの見てきた世界各国の様子や、協働を進めるコーディネーターの仕事を通して感じていることを紹介しながら、SDGs達成の先にある「持続可能な世界」について学生の皆さんと考えました。

社会課題のすべてはリンクしているため、1つの課題解決に注力していると、解決の糸口が見えにくくなることがしばしばあります。学生さんなど若い方たちには、まず「すべての社会課題はリンクしている」という感覚を得ることが大切ではないかと思います。この感覚を得るための一助となるよう、わたしの経験をお話させてもらいました。

また、持続可能な世界、社会、地域というものを自分の中に具体的にイメージするためには、多くの経験や学びが必要であると思います。具体的なイメージを持つことで、私たちの未来に対する興味関心や責任を持つことができ、社会変革へとつながっていくと思うのです。持続可能な世界のイメージ、未来像を描くためにも、関心のあることや好きなことにどんどん挑戦していってもらいたい。

新たな挑戦に年齢は関係ないので、日々関心を見つけ、日々自分の感覚をアップデートしていきたいですね。



<印象に残った質問>

・海外の出会いの中で一番印象的だったことを教えてください。

 → (すごく迷った末…)

日本国外に出ると、「宗教は何ですか?」と当たり前のように聞かれることが増えます。私はいつもこう答えます。「神様は信じていないけど、家族や友達を信じています。わたしの先祖も大切だし、何より自然がわたしを癒してくれます」と。大概は、「神を信じないなんて信じられない。どうやって生きているんだ」などと訝し気に対応されることが多いです。

ペルーの家族との出会いは違いました。わたしより2つ年下のBeaは敬虔なカトリック教徒。「神様を信じている?」と聞かれ、いつものように答えました。すると彼女は「それってとっても素敵な考え方ね!」と褒めてくれたのです。後にも先にも、私の意見を肯定してくれたのは彼女だけです。

自分が強く信じるものとは違う価値観を持つ人に対して、「素敵」と心から言える彼女のことを私は本当に「素敵」と思いました。そして彼女のように他者にも寛容な人になりたいと思いました。


・一番最近日本に帰ってきた時、何を思いましたか。

 →(すぐに頭に浮かんだものの、ちょっと躊躇しましたが)

テレビを見て驚きました。まるで世界が戦争に向かっているかのような報道の多さに。私が訪れたこれまでの地域、出会ってきた人たちは一様に平和であり、国と国とが戦争するなどという雰囲気は一切感じませんでした。もちろん、路上で物乞いする人たちの姿や、ライフル銃を片手に警備をする警察、何かを盗んだのか警官に追いかけられる人なども見ました。けれどどんな場所でも、恐らくは紛争が起きている場所でも生活があるんですよね。人が暮らしているんです。そして大概会うのは親切な人たちです。

必要以上に日本が危ないと、煽っている気がしてなりませんでした。世界は、おそらく、多くの人が思っているより笑顔で溢れています。戦争なんて、誰もしたいと思っていないでしょう。それなのに、戦争をすることを肯定しなければ自分たちの身が危ないのではないかと思わせられる報道が多く、怖いなと感じました。

ベトナムに行った時、水田のきれいさに驚きました。こんなに美しい水田をつくる人たちが、いったん戦争となると人を殺すんです。ホーチミン市にある戦争証跡博物館にはベトナム戦争当時に記録された残忍で残酷で痛々しい写真が多く展示されています。枯葉剤の影響は本当にひどい。科学者の人たちは影響が出ることをもちろん知っていたでしょう。でも、本当に影響が出たその人たちを見た訳じゃない。もし実際の影響を目の当りにしたら化学兵器は使えないと思います。開発者もまた、現実を知る必要があると思いました。

日本の人たちだって平和を愛する人たちと思います。けれど、いったん戦争になればルールなんて無くなって、人を殺すことを当然のこととして受け入れるようになるのだと、ベトナムの人たちを見て思いました。常識や価値観が一変する怖さがあるのに、軽く戦争を煽っているのではないかと。実際に起きた後の惨劇を想像する力を身に付けたいと思いましたし、なるべく自分の五感を使って現実に目を向けることの大切さを痛感しました。