【伝える】「持続可能な世界」について考える授業を行いました。

2017年5月23日(火)、札幌市内にある公益財団法人北海道YMCAが運営する札幌YMCA英語・コミュニケーション専門学校にて、「持続可能な世界って?」をタイトルとした授業をさせていただきました。

2015年9月に国連持続可能な開発サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)」をなるべく分かりやすくお伝えすることが今回のミッション(使命、役割)。SDGsは193か国が達成することを合意した世界共通の目標ではあるものの、一般にはまだまだ知名度が低いのが現状です。知名度の低さはマスコミによる報道の有無にもあるとは思いますが、すべての社会課題を解決しようとする幅広い目標なので、すぐにピンとくる内容ではないというのも大きな理由だと思っています。

そこで、これまでのわたしの見てきた世界各国の様子や、協働を進めるコーディネーターの仕事を通して感じていることを紹介しながら、SDGs達成の先にある「持続可能な世界」について学生の皆さんと考えました。

社会課題のすべてはリンクしているため、1つの課題解決に注力していると、解決の糸口が見えにくくなることがしばしばあります。学生さんなど若い方たちには、まず「すべての社会課題はリンクしている」という感覚を得ることが大切ではないかと思います。この感覚を得るための一助となるよう、わたしの経験をお話させてもらいました。

また、持続可能な世界、社会、地域というものを自分の中に具体的にイメージするためには、多くの経験や学びが必要であると思います。具体的なイメージを持つことで、私たちの未来に対する興味関心や責任を持つことができ、社会変革へとつながっていくと思うのです。持続可能な世界のイメージ、未来像を描くためにも、関心のあることや好きなことにどんどん挑戦していってもらいたい。

新たな挑戦に年齢は関係ないので、日々関心を見つけ、日々自分の感覚をアップデートしていきたいですね。



<印象に残った質問>

・海外の出会いの中で一番印象的だったことを教えてください。

 → (すごく迷った末…)

日本国外に出ると、「宗教は何ですか?」と当たり前のように聞かれることが増えます。私はいつもこう答えます。「神様は信じていないけど、家族や友達を信じています。わたしの先祖も大切だし、何より自然がわたしを癒してくれます」と。大概は、「神を信じないなんて信じられない。どうやって生きているんだ」などと訝し気に対応されることが多いです。

ペルーの家族との出会いは違いました。わたしより2つ年下のBeaは敬虔なカトリック教徒。「神様を信じている?」と聞かれ、いつものように答えました。すると彼女は「それってとっても素敵な考え方ね!」と褒めてくれたのです。後にも先にも、私の意見を肯定してくれたのは彼女だけです。

自分が強く信じるものとは違う価値観を持つ人に対して、「素敵」と心から言える彼女のことを私は本当に「素敵」と思いました。そして彼女のように他者にも寛容な人になりたいと思いました。


・一番最近日本に帰ってきた時、何を思いましたか。

 →(すぐに頭に浮かんだものの、ちょっと躊躇しましたが)

テレビを見て驚きました。まるで世界が戦争に向かっているかのような報道の多さに。私が訪れたこれまでの地域、出会ってきた人たちは一様に平和であり、国と国とが戦争するなどという雰囲気は一切感じませんでした。もちろん、路上で物乞いする人たちの姿や、ライフル銃を片手に警備をする警察、何かを盗んだのか警官に追いかけられる人なども見ました。けれどどんな場所でも、恐らくは紛争が起きている場所でも生活があるんですよね。人が暮らしているんです。そして大概会うのは親切な人たちです。

必要以上に日本が危ないと、煽っている気がしてなりませんでした。世界は、おそらく、多くの人が思っているより笑顔で溢れています。戦争なんて、誰もしたいと思っていないでしょう。それなのに、戦争をすることを肯定しなければ自分たちの身が危ないのではないかと思わせられる報道が多く、怖いなと感じました。

ベトナムに行った時、水田のきれいさに驚きました。こんなに美しい水田をつくる人たちが、いったん戦争となると人を殺すんです。ホーチミン市にある戦争証跡博物館にはベトナム戦争当時に記録された残忍で残酷で痛々しい写真が多く展示されています。枯葉剤の影響は本当にひどい。科学者の人たちは影響が出ることをもちろん知っていたでしょう。でも、本当に影響が出たその人たちを見た訳じゃない。もし実際の影響を目の当りにしたら化学兵器は使えないと思います。開発者もまた、現実を知る必要があると思いました。

日本の人たちだって平和を愛する人たちと思います。けれど、いったん戦争になればルールなんて無くなって、人を殺すことを当然のこととして受け入れるようになるのだと、ベトナムの人たちを見て思いました。常識や価値観が一変する怖さがあるのに、軽く戦争を煽っているのではないかと。実際に起きた後の惨劇を想像する力を身に付けたいと思いましたし、なるべく自分の五感を使って現実に目を向けることの大切さを痛感しました。

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